トレイゾ
Treiso
標高が生む、バルバレスコ随一の優美なクリュの里。
トレイゾは、イタリア・ピエモンテ州のバルバレスコDOCGを構成する3つの主要コムーネ(バルバレスコ、ネイヴェ、トレイゾ)の一つで、産地全体の生産量の約2割を占める。バルバレスコの中で最も標高が高いコムーネで、村自体は標高約410m、畑は180mから500m近くまで及び、涼しく風通しの良い気候と大きな昼夜の寒暖差をもたらす。ランゲ地方で今も高い森林が残る数少ない場所の一つでもある。土壌は産地に典型的な淡色の砂質泥灰土が中心だが、コムーネ北東部にはより緻密な青みがかった石灰質泥灰土(サンタガタ化石層)が広がり、長期熟成向きのしっかりした骨格のワインを生む。一部(ヴィーニャ・ボイト周辺など)には粘土質土壌もあり、ふくよかさを加える。Rizzi、Pajoré、Rombone、Manzola、Nervoなど著名なMGA(クリュ)を擁し、Rizzi、Fiorenzo Nada(Romboneが代表銘柄)、Ca' del Baio、Pelissero、Sottimanoといった評価の高い生産者が集まる。トレイゾのワインは一般に、バルバレスコの中で最も優美で香り高く洗練されたスタイルとされ、ネイヴェの力強いワインに比べて色調・ボディともに軽やかだが、RizziやNervo付近の南向き区画では際立ってしっかりとした骨格のワインが生まれることもある。
こんな方に: 力強さよりも香り高くテロワールを映すエレガントなバルバレスコを求める方に。
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生産者
Ada Nada
アダ・ナダ
1919年、カルロ・ナダがバルバレスコ生産地域の中心地トレイゾにある「ロンボーネ」農園を取得したことに始まる、歴史ある家族経営ワイナリー。現在は4代目にあたり、2001年からアンナ・リーザ・ナダとその夫エルヴィオ・カッツァーロが経営を担う。畑は名門クリュであるヴァレイラーノとロンボーネを中心に約9ヘクタール。ほぼ手作業で栽培・収穫を行い、セラーでの介入も最小限に抑える方針。年間約45,000本を生産し、うち半数がバルバレスコ。ほかにバルベーラ、ドルチェット、ネッビオーロ、モスカート・ダスティを手掛ける。なお、トレイゾには同じ「ナダ」姓を持つワイナリーが他に2軒(Fiorenzo Nada、Nada Giuseppe)存在するが、いずれも資本関係のない別の独立した生産者である。
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www.adanada.it/Agricola Molino
アグリコーラ・モリーノ
1991年、ヴィルジニオ・モリーノと息子トンマーゾ、フランコ、ダリオによってトレイゾに創業した家族経営のワイナリー。2013年には孫のマルコも加わった。バルバレスコDOCGの中心地に位置し、トレイゾ、グアレーネ、コスティリオーレ・ダスティにまたがる16haの畑を、除草剤を使わずマルチング(草生栽培)で管理するパーマカルチャー的な哲学のもとで営んでいる。標高約350mの西向きの尾根にある「アウサリオ」(追加地理的呼称/MGA)を単独所有しており、1958年植樹のネッビオーロから、他のどのワイナリーも名乗れない唯一無二のバルバレスコを生み出している。エレガンスと骨格、長期熟成能力の高さで評論家からも高く評価されている。
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www.molinovini.com/en/Cantina Rizzi
カンティーナ・リッツィ
バルバレスコ地区で最も名高い村の一つ、トレイゾの中心部に位置するカンティーナ・リッツィは、1974年にエルネスト・デッラピアーナによって設立された家族経営のワイナリーです。リッツィ、ネルヴォ、パジョレ、スタルデリといった象徴的なクリュ(単一畑)を含む約44ヘクタールのブドウ畑を所有しています。同社はテロワールを重視したワイン造りで知られ、地域の石灰質土壌を反映した、エレガントでストラクチャーのしっかりとしたネッビオーロを生産しています。伝統的な手法と現代の精密な技術を融合させ、純粋さと熟成能力を兼ね備えたワインを生み出しています。
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www.cantinarizzi.com/Corrado Meinardi
コッラード・メイナルディ
バルバレスコ生産地域の中心地、ピエモンテ州トレイゾに位置するコッラード・メイナルディ(イル・クラヴェ)は、4世代にわたって家族経営を続けるワイナリーです。醸造学を学んだコッラードが1993年に祖父ピエリンから経営を引き継ぎ、現在はバルバレスコで最も標高の高い丘の一つに約4ヘクタールの畑を所有しています。ランゲの丘陵地帯が持つ独自のテロワールを尊重した伝統的なブドウ栽培を実践し、ネッビオーロ(バルバレスコ、バローロ、ランゲ・ネッビオーロ)、バルベーラ、ドルチェットを中心に年間約24,000本を生産しています。畑と醸造の両面で人為的な介入を最小限に抑えることで、果実の純粋さと石灰質泥灰土の個性を表現し、エレガンスとストラクチャー、そして優れた熟成ポテンシャルを備えたワインを生み出しています。
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www.corradomeinardi.it/Fiorenzo Nada
フィオレンツォ・ナダ
1921年、カルロ・ナダがバルバレスコ生産地域の中心地トレイゾにある「ロンボーネ」農園を購入したことに始まる歴史ある家族経営ワイナリー。現在はブルーノとダニロ・ナダ親子が率いる4代目。長年ブドウを他社に販売してきたが、1982年にブルーノが父フィオレンツォを説得し自社セラーを整備、初めて自社ボトリングを行った。現在は「ロンボーネ」「マンゾーラ」という名門単一畑(クリュ)を所有し、トレイゾ特有の粘土石灰質土壌を映すエレガントで骨格のしっかりした長期熟成型ネッビオーロで知られる。なお、トレイゾには同じ「ナダ」姓を持つワイナリーが他に2軒(Ada Nada、Nada Giuseppe)存在するが、いずれも資本関係のない別の独立した生産者である。
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www.nada.it/Lodali
ロダリ
ランゲの中心地トレイゾに拠点を置くロダリは、現在はヴァルター・ロダリが率いる歴史ある家族経営のワイナリーです。同家はテロワールへの徹底したこだわりで知られ、特にロディ村にある名高い「ブリッコ・アンブロージョ」畑の所有で有名です。この畑からは、卓越したエレガンス、骨格、そして熟成能力を備えたバローロが生み出されます。伝統的なピエモンテの醸造技術と現代的な精密さを融合させ、ネッビオーロ種の特徴と現地の土壌が持つ独特のミネラル感を表現したワインを造り上げています。
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www.lodali.it/Nada Giuseppe
ナダ・ジュゼッペ
ナダ・ジュゼッペは、バルバレスコ生産地域の中で最も標高の高い村トレイゾに位置する、小規模な家族経営ワイナリーです。1900年に先祖アントニオ・ナダがトレッツォ・ティネッラからトレイゾへ移り、歴史あるクリュ「カソット(Casot)」の畑を購入して以来、ナダ家がこの地を耕してきました。自家醸造を始めたのは1966年のバルバレスコDOCG認定に先立つ1964年です。現在は、畑仕事のほぼすべてを担うジュゼッペとネッラ・ナダ夫妻、事務を担当する娘バルバラ、そして2014年の畑の有機転換(2017年ヴィンテージから有機認証取得)以降、醸造を統括するエノロゴの息子エンリコによって営まれています。醸造は伝統的な手法を守り、自然発酵、6〜8週間の長期マセラシオン、大樽(トノー・ボッティ)と大型のスラヴォニアン/フレンチオーク樽での熟成を行います。注意: このナダ・ジュゼッペは、同じくトレイゾに拠点を置き「ナダ」姓を持つ他のワイナリー(例:フィオレンツォ・ナダ / nada.it)とは別の家系・別法人であり、畑・醸造チーム・ラベルはすべて独立しています。
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www.nadagiuseppe.it/Orlando Abrigo
オルランド・アブリゴ
1949年、バルバレスコ生産地の中心地トレイゾで創業したオルランド・アブリゴは、現在は2代目のジョヴァンニ・アブリゴが率いる家族経営のワイナリーです。ジョヴァンニは醸造学とブドウ栽培学を修めた後、1988年に父オルランドの元で本格的に経営に加わりました。ワイナリー初のバルバレスコは1973年に誕生し、同じワインが1981年にDOCG認定を獲得しています。現在は約10ヘクタールの畑を所有し、うちバルバレスコの銘醸クリュであるモンテルシーノ(1996年取得)とメルッツァーノの2つのMGA(追加地理呼称)を含みます。メルッツァーノ内の名高い単一畑からは、代表銘柄「ロンガリオ・リゼルヴァ」が生まれます。バルバレスコのクリュに加え、ドルチェット・ダルバ、バルベーラ・ダルバ、ランゲ・フレイザ、そして少量のシャルドネとメルローも生産。2013年にはセラーを全面改装し、伝統的でテロワールを重視したスタイルを守りながら生産設備を近代化しました。
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orlandoabrigo.com/en/Pertinace
ペルティナチェ
1973年にマリオ・バルベロ(Mario Barbero)によって設立されたペルティナチェ(正式名称: Cantina Vignaioli Elvio Pertinace)は、バルバレスコ地区の中心、トレイゾ村の集落「ペルティナチェ」を拠点とする協同組合ワイナリーです。当初13軒の栽培農家から始まり、現在ではその多くが創業者の子孫である20軒の農家が加盟し、トレイゾの標高の高い丘陵地帯で合計約110haのブドウ畑を管理しています。ワイナリー名は、この集落で生まれたとされるローマ皇帝プブリウス・ヘルウィウス・ペルティナクスに由来します。設立当初からネッビオーロに特化し、単一畑ボトリングを含む骨格のあるテロワール表現豊かなバルバレスコを中心に、バローロなどランゲ地方のワインも生産。近代的な醸造技術と地域の伝統への敬意を両立させています。
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www.pertinace.com/Socré
ソクレ
1869年にバルバレスコで創業したソクレは、現当主マルコ・ピアチェンティーノ氏とその妻ロゼッラ氏、息子ジューリオ氏とロレンツォ氏が営む、4代続く家族経営の小規模ワイナリーです。「ソクレ」はピエモンテ方言で「木靴」を意味し、前の所有者の職業に由来します。1958年にはマルコ氏の父ベネデット氏が畑を大きく再編してネッビオーロの作付けを拡大し、1990年以降は品種の更新を続けながらチステルナ・ダスティやアルバにも畑を拡大しました。バルバレスコに約3haを所有し、中でもトレイゾ村の名高いクリュ「パジョレ(Pajoré)」とロンカリエのクリュのネッビオーロを主軸に、エレガントでテロワールを忠実に映すワインを生み出しています。2019年の「バルバレスコ パジョレ」は、ガンベロ・ロッソ「イタリアワインガイド2024」でトレビッキエリを受賞しました。
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www.socre.it/en/
ペアリング
トレイゾの優美で香り高いバルバレスコは、ネイヴェの力強いワインより軽やかな料理と好相性。仔牛や鴨のラヴィオリ・デル・プリン、生ポルチーニのタリアテッレ、白トリュフを添えた牛肉のタルタルやカルパッチョ、ホロホロ鳥のローストなどが定番。RizziやRombone産の骨格のしっかりしたクリュは、牛肉の煮込みや熟成カステルマーニョにも合う。和食では、鴨のロースト、牛肉の治部煮、きのこの土瓶蒸し、出汁の効いた鍋料理など、香りと旨味を引き立てる控えめな味付けの料理が好相性。
よくある質問
- トレイゾのバルバレスコは、バルバレスコ村やネイヴェとどう違いますか?
- トレイゾはバルバレスコ3コムーネの中で最も標高が高く、夜間の冷え込みと風通しの良さが、産地随一の優美で香り高く洗練されたワインを生みます。ネイヴェの力強くタンニン豊かなワインに比べ、色調・ボディともに軽やかです。
- トレイゾにある有名な畑(クリュ)を教えてください。
- Rizzi、Pajoré、Rombone、Manzola、Nervoが代表的なMGA(クリュ)。香りの繊細さに加え、一部の南向き区画では意外なほどの骨格と熟成能力を兼ね備えます。
- トレイゾを代表する生産者は誰ですか?
- Rizzi、Fiorenzo Nada(Romboneが代表銘柄)、Ca' del Baio、Pelissero、Sottimanoといった生産者がトレイゾを代表します。
- トレイゾのバルバレスコにはどんな料理が合いますか?
- 優美で香り高いスタイルはラヴィオリ・デル・プリン、ポルチーニのタリアテッレ、白トリュフ料理、ホロホロ鳥のローストと好相性。骨格のしっかりしたクリュは牛肉の煮込みや熟成ハードチーズにも合います。
- ワイン初心者にトレイゾのバルバレスコはおすすめですか?
- はい。タンニンが穏やかで、華やかな花の香りと赤い果実のニュアンスが際立つため、軽やかな赤ワインに親しんだ方がネッビオーロに入門するのに最適な選択肢の一つです。