マレンマ・トスカーナDOC
Maremma Toscana DOC
伝統と実験精神が融合する、自由度の高いトスカーナ沿岸DOC。
マレンマ・トスカーナDOCについて
- 掲載している生産者
- 8軒
2011年に設立されたマレンマ・トスカーナDOCは、トスカーナ州南西部のグロッセート県全域をカバーする広大な産地です。ティレニア海と周囲の丘陵地帯の影響を受ける多様な地中海性気候の恩恵を受けています。この産地は多才さで知られ、赤・白・ロゼ・スパークリングと幅広いスタイルを生産しています。サンジョヴェーゼが中心的な役割を果たす一方、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーといった国際品種や、ヴェルメンティーノ、チリエジョーロ、アンソニカといった土着品種の栽培でも知られています。粘土質から砂質ロームまで多様な土壌が、力強さとエレガンス、沿岸部特有のフレッシュさを兼ね備えたワインを生み出します。規定によりマレンマ・トスカーナ・ロッソは、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、チリエジョーロ、メルロー、サンジョヴェーゼ、シラーのいずれかまたは複数を最低60%含む必要があります。
こんな方に
カジュアルな食事から特別なシーンまで、親しみやすくも複雑な地中海スタイルのワインを求める方、あまり知られていないイタリア土着品種に興味がある方に最適です。
ペアリング
グリルした肉料理、イノシシのラグー、焼き野菜、新鮮なシーフード、熟成したペコリーノチーズ。和食では焼き鳥やマグロの藁焼きとも好相性。
生産者
Antonio Camillo
アントニオ・カミッロ
アントニオ・カミッロは、トスカーナ州マレンマを代表する自然派生産者であり、土着品種チリエジョーロの第一人者として知られています。マレンマの著名な生産者のもとで25年以上にわたりセラーマスター・畑の管理者として経験を積んだ後、2006年、カパルビオ近郊で見つけた樹齢40年のチリエジョーロの2ヘクタールの畑との出会いをきっかけに自身のプロジェクトを開始しました。拠点はグロッセート県のマンチャーノとカパルビオの間にあり、現在では約17ヘクタール・年間約9万5000本まで規模を拡大、2015年には新しいワイナリーを稼働させています。畑では銅と硫黄のみを用いた有機栽培を実践(公式認証は取得せず)、収穫は手摘み、発酵には天然酵母を使用します。セラーではセメントタンクと大型の古樽を中心に用い、新樽・清澄・濾過を避けることで、ワインが「呼吸」し、果実本来の個性がそのまま表現されることを重視しています。ラインナップの中心はチリエジョーロ、プロカニコ、ヴェルメンティーノ、サンジョヴェーゼといったマレンマの土着品種で、トスカーナ沿岸部のテロワールを最小限の介入で表現しています。
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antoniocamillo.it/Col di Bacche
コル・ディ・バッケ
1998年、アルベルト・カルナッシャーリと妻フランカ・ブッツェゴーリによって設立されたコル・ディ・バッケは、マレンマ自然公園の縁に位置するマリアーノ・イン・トスカーナ(グロッセート県)の家族経営ワイナリーです。夫妻は南〜南西向きの丘陵地、約18ヘクタールを取得し、石灰質を多く含む砂質土壌に標高150〜260メートルの畑、約13〜15ヘクタールのブドウ畑を開拓しました。モレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCGの中心地でサンジョヴェーゼを主体に栽培する一方、少量のヴェルメンティーノからは爽やかで塩味を感じるマレンマ・トスカーナの白ワインを、メルロ・カベルネなどの国際品種からはIGTトスカーナ赤『クピネーロ』を生産しています。手摘み収穫と除草剤不使用を徹底しており、Slow WineやGambero Rossoといった主要ワインガイドにも定期的に掲載されています。
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www.coldibacche.com/Fattoria Il Casalone
ファットリア・イル・カザローネ
ファットリア・イル・カザローネは、トスカーナ州マレンマの沿岸部、アンセドニア岬とオルベテッロの町の間に広がる約300haの大農園で、ラグーナとアルジェンタリオ山を望む立地にあります。現オーナー、ジュゼッペ・リニャーナ氏の父の代である1960年代初頭に最初のブドウが植えられ、「ペーピ・リニャーナ・ファットリア・イル・カザローネ」として、この地域で早くからカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ヴィオニエを土着品種のヴェルメンティーノやサンジョヴェーゼと並行して試みた先駆者のひとつです。約20haが高品質ワイン生産に充てられ、そのうち約8haがヴェルメンティーノです。看板の白ワイン「レオポルディーノ」は、ヴェルメンティーノ85%・ヴィオニエ15%のブレンドで、自社畑コロンビの記録が残る19世紀の土地台帳「カタスト・レオポルディーノ」にちなんで名付けられました。2024年ヴィンテージは、マレンマ・トスカーナ保護協会(Consorzio Tutela Vini della Maremma Toscana)主催の「ヴェルメンティーノ・グランプリ」でトップ10に選出され、ヴィニタリーで発表されました。ワイン以外にも、放牧のマレンマーナ牛の飼育、オリーブオイルや蜂蜜の生産を行い、敷地内のアグリツーリズモで宿泊客も受け入れています。
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www.pepilignanawine.com/Fattoria La Maliosa
ファットリア・ラ・マリオーザ
ファットリア・ラ・マリオーザは、トスカーナ州南部マレンマ地方、サトゥルニア近郊に位置する先駆的な有機・ビオディナミ農園です。実業家アントネッラ・マヌーリ氏によって2009年に設立され、約170ヘクタールの農園は2010年以来有機認証を取得し、亜硫酸塩無添加のナチュラルワインに加え、有機エキストラバージンオリーブオイルや蜂蜜を生産しています。栽培・醸造は、農学者ロレンツォ・コリーノ氏と共に開発した特許取得済みの「メトード・コリーノ」に基づき、土壌の健康・生物多様性・最小限の介入を重視した植物由来の再生型農法を実践しています。チリエジョーロ、サンジョヴェーゼ、プロカニコなどマレンマ土着品種のみを使用し、サトゥルニア・ロッソ、サトゥルニア・ビアンコ(オレンジワイン)、タルコンテなどのワインは国際的なナチュラルワインコンクールでも評価されています。
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fattorialamaliosa.it/en/I Forestieri
イ・フォレスティエーリ
アグリコーラ・イ・フォレスティエーリは、2019年にピサ出身のダリオ・マリナーリと、トスカーナに移り住んだアルゼンチン人のエゼキエル・アッラシアによって始められた自然派ワインプロジェクト。二人はアルタ・マレンマのビオディナミ生産者アンペレイアで出会い、ダリオはコルトーナのステファノ・アメリギの下やマス・ド・ドマ・ガサックでも経験を積んだ。「フォレスティエーリ(よそ者)」という名は、二人ともこの土地の生まれではないことに由来し、ロッカテデリーギの居酒屋では新参者をそう呼ぶ習わしがある。彼らはロッカテデリーギとロッカストラーダ(グロッセート県)の丘陵地に点在する、放棄されていた樹齢の古い畑を約3.5〜4ヘクタール分再生させた。標高250〜600m、ガレストロ(片岩)、砂、粘土、泥灰土が混じり合う土壌で栽培している。畑ではオーガニック・ビオディナミの考え方に基づき化学資材を使わず、醸造では天然酵母による発酵、コンクリートタンクやアンフォラの使用、赤ワインの全房発酵、亜硫酸塩は必要最小限のみという徹底した低介入スタイルを貫く。生まれるワインの多くはトスカーナIGTとして瓶詰めされ、生き生きとした酸とこの地域にしては控えめなアルコール度数が特徴で、RAW WINEやレ・カーヴ・ド・ピレネー、ジャンシス・ロビンソン・チームなど自然派ワインの専門家から注目を集めている。
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Rocca di Frassinello
ロッカ・ディ・フラッシネッロ
ロッカ・ディ・フラッシネッロは、出版業を営むパオロ・パネライが率いるカステッラーレ・ディ・カステリーナと、エリック・ド・ロートシルト男爵率いるドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(シャトー・ラフィット)が1999年に立ち上げ、2007年に正式開業したイタリア・フランス合弁のワイナリーです。所在地はマレンマ地方、ボルゲリとモンタルチーノの間に位置するグロッセート県ガヴォラーノ。イタリアではまれなイタリア×フランスの合弁醸造プロジェクトとして知られています。約90haの畑にはイタリア系品種(主にサンジョヴェーゼ)とフランス系品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド)がほぼ半々で植えられ、カステッラーレのトスカーナ在来品種の経験とラフィットの伝統的なボルドー式醸造技術を融合させています。ワイナリー建築は、プリツカー賞建築家レンツォ・ピアノが手掛けた唯一のワイナリー建築であり、2,500樽を収容する地下の円形熟成庫を中心とした印象的な構造から「ワインの大聖堂」の一つと称されています。生産されるワインはマレンマ・トスカーナDOCに属し、フラッグシップはボルドー系品種とサンジョヴェーゼをブレンドした「ロッカ・ディ・フラッシネッロ」、そして「マッセート」に挑む100%メルローの単一畑キュヴェ「バッフォネロ」が看板銘柄です。
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www.castellare.it/en/rocca-di-frassinello/Tenuta Le Mortelle
テヌータ・レ・モルテッレ
テヌータ・レ・モルテッレは、名門アンティノーリ家がトスカーナ海岸部カスティリオーネ・デッラ・ペスカイア近郊のマレンマに構えるエステート。1999年にアンティノーリ家が取得した270ヘクタールの敷地のうち175ヘクタールが畑で、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、カルメネール、ヴェルメンティーノ、アンソニカ、ヴィオニエを栽培する。地下約25メートルまで岩盤を掘り込んだ円筒形のワイナリー建築が象徴的で、ポンプを使わない重力式醸造と岩盤による自然な温湿度管理を実現している。「モルテッラ」とはマレンマ沿岸の潅木地帯に自生する野生のギンバイカ(マートル)を指し、農園名の由来となった。看板ワインである白のヴィヴィア、赤のボトロセッコとポッジョ・アッレ・ナーネはいずれもマレンマ・トスカーナDOCに属し、ガンベロ・ロッソやワイン・スペクテイターでも高評価を得ている。
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www.antinori.it/en/tenuta/estates-italy/le-mortelle-estate/Tenuta Sassoregale
テヌータ・サッソレガーレ
2002年、グロッセート県チヴィテッラ・パガニコに設立されたテヌータ・サッソレガーレは、ティレニア海からほど近い、荒々しくも美しい沿岸部「アルタ・マレンマ(トスカーナの西部劇)」に位置するワイナリーです。敷地面積38ヘクタールのうち30ヘクタールがブドウ畑で、主にサンジョヴェーゼを、ほかにメルロー、シラー、ヴェルメンティーノを栽培しています。1935年にガエターノ・マルゾット伯爵が創設し、現在もマルゾット家が所有するワイングループ、ヘリタ・マルゾット・ワイン・エステート(旧サンタ・マルゲリータ・グルッポ・ヴィニコロ)の傘下にあります。海からの涼しい風が和らげる地中海性気候を活かし、2017年ヴィンテージからオーガニック認証を取得。マレンマ・トスカーナDOCとしてリリースされるワインは、マレンマの荒々しくも美しいテロワールを映す、力強く野性味のある味わいで知られています。
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www.sassoregale.com/en/
よくある質問
- マレンマ・トスカーナDOCの主要なブドウ品種は何ですか?
- サンジョヴェーゼが最も広く栽培されていますが、このDOCではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、シラーなどの国際品種、チリエジョーロやヴェルメンティーノ、アンソニカといった土着品種も幅広く認められています。
- マレンマ・トスカーナはいつDOCに昇格しましたか?
- 16年間IGT(地理的表示ワイン)として扱われた後、2011年9月にDOCへ昇格しました。
- マレンマ・トスカーナDOCではどんなスタイルのワインが作られていますか?
- 赤・白・ロゼの各スタイルが生産されており、イタリアの中でも最も自由度の高いDOC規定の一つとして、実験的なブレンドの試みが盛んです。