空知
Sorachi
日本のナチュラルワイン発信地、道央の冷涼内陸産地
空知は北海道道央に位置するワイン産地で、岩見沢市・三笠市・浦臼町を中心に、札幌と旭川のほぼ中間に広がります。内陸性気候のため、生育期の昼夜温度差は10℃前後に達し、ブドウは高い酸度と豊かなアロマを蓄えます。冬の積雪は4〜8メートルにも達し、休眠中の樹を保護します。2009年にアメリカ人醸造家ブルース・ガットラヴが岩見沢に設立した「10Rワイナリー」は日本初のカスタムクラッシュ施設として機能し、ノラクラ、ドメーヌ・トイ、ドメーヌ・ブレスなど今や高い評価を受ける醸造家を輩出してきました。その他の主な生産者に山崎ワイナリー・KONDOヴィンヤード・宝水ワイナリー・TAKIZAWAワイナリーなどがあります。浦臼町には日本最大の垣根式ブドウ園(447ha)である北海道ワイン株式会社の鶴沼ワイナリーがあり、約40品種を栽培しています。主な赤品種はピノ・ノワールとツヴァイゲルト、白品種はケルナー・ミュラー・トゥルガウ・ピノ・グリなど。低介入・少量亜硫酸塩のナチュラルワイン志向が産地の哲学として根付いています。
こんな方に: 冷涼感あふれるピノ・ノワールやツヴァイゲルトの赤ワイン、ケルナーやミュラー・トゥルガウの爽やかな白ワイン。低介入のナチュラルワインや個性派キュヴェも充実。
アペラシオン
生産者
Kondo Vineyard
KONDOヴィンヤード
KONDOヴィンヤードは北海道空知管内・岩見沢市(栗沢地区)と三笠市に畑を持つ家族経営の農家兼ワイナリー。代表の近藤良介が2007年に三笠市にタプ・コプ農場を開墾し、2011年には岩見沢市栗沢町にモセウシ農場を追加した。2012年から2016年の5年間は栗沢町の10Rワイナリーに委託醸造し、「タプ・コプ」シリーズを世に出した。2017年、同じ栗沢町の中澤ヴィンヤードの中澤夫妻と弟・拓身との3戸で「栗澤ワインズ」を共同設立し、自前での醸造を開始。馬耕による土作り、農薬不使用の栽培哲学、そしてジョージア伝来のクヴェヴリを地中に埋めて醸造するアンフォラスタイルが特徴。混植・混醸の「konkon(コンコン)」シリーズは空知テロワールの個性を丸ごと表現する看板キュヴェ。
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www.kondo-vineyard.comTakahashi Farm
高橋農園
北海道空知郡砂川市東豊沼に位置するパイオニア的葡萄農家。元酪農家の高橋祥二が2013年に酪農を引退後、2016年に牧場跡地にソーヴィニヨン・ブランを2,600本植栽して創業。北緯43度の砂川では日照時間の不足からSBの栽培は不適とされていたが、その常識に挑戦し果実味豊かなブドウを送り出してきた。醸造は岩見沢市栗沢町上幌の10Rワイナリーに委託し、「KWtN(上幌ワインと仲間たち)」ラベルとして発売。畑は高台の暖かく西向きの斜面にあり、化学肥料を用いない栽培を実践。現在は新保里佳が農場経営を引き継ぎ、2028年の自社ワイナリー開設を目指している。
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takahashi-sh.wixsite.com/r-t-vineyardTakizawa Winery
滝沢ワイナリー
滝沢ワイナリーは、北海道空知地方・三笠市達布に位置する先駆的なワイナリー。札幌でコーヒー店を営んでいた滝沢信夫氏が2004年に新規就農し、南向き斜面の3区画(風の畑・日の畑・木立の畑)、計約3haで化学肥料・農薬を使わずブドウを栽培。天然酵母による発酵で、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ケルナー、ミュラー・トゥルガウなど、ピュアでミネラル感あふれるワインを生み出している。2023年に滝沢氏が他界した後は、その意志を継いだ影山航大氏が醸造を担う。
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www.takizawawinery.jp/Yamazaki Winery
山﨑ワイナリー
山﨑ワイナリーは、北海道三笠市達布山の斜面に位置する家族経営のワイナリー。山﨑家は4代にわたりこの地で農業を営み、1998年に代表・山﨑和幸がブドウ栽培に着手。2002年に北海道で初めての個人農家による果実酒製造免許を取得してワイナリーを設立した。シャルドネ、ピノ・ノワール、ケルナー、メルロなど合計12品種を自社栽培し、除草剤・化学肥料は一切使用しない。年間生産量は約3万本。日本ワイナリーアワードで2019年から2023年まで五つ星を連続受賞。東京農業大学醸造科卒の長男・亮一が醸造を、次男・太地がブドウ栽培と営業を担う家族5人での運営。「無添加・無濾過に固執するのではなく、状況に応じて最高のワインを作ることが重要」という柔軟な醸造哲学を持つ。
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www.yamazaki-winery.co.jp
ペアリング
ジンギスカン(ラム肉の炭火焼き)、スモークサーモン・いくら、北海道産ソフトリパンチーズや手作りモッツァレラ、焼きとうきび(北海道産コーン)、山菜のソテー(行者ニンニク・ふきのとう)、バター焼きホタテ、北海道乳製品を使ったクリームシチュー、空知産豚肉の炭火焼き。
よくある質問
- 空知ワインと余市ワインはどう違いますか?
- 空知は内陸の道央に位置するため、海洋性気候の余市より昼夜温度差が大きく(生育期で最大10℃前後)、大陸性気候の影響が強い産地です。空知の赤ワインは余市より骨格がしっかりしてダークフルーツのニュアンスが出やすく、ナチュラルワイン生産者が集まる産地としても知られています。余市が繊細な果実感で知られるのに対し、空知はよりワイルドでテロワール直結の個性派スタイルが多い傾向です。
- 空知で栽培されている主なブドウ品種は何ですか?
- 赤品種はピノ・ノワールとツヴァイゲルトが中心で、明るい酸と果実味のある赤ワインを生み出します。白品種はケルナーとミュラー・トゥルガウが冷涼気候に適しており、爽やかなアロマと清潔感のあるミネラルが特徴です。その他、ピノ・グリやバッカスも栽培されています。
- 10Rワイナリーはどんなワイナリーですか?
- 10Rワイナリーは2009年にアメリカ人醸造家ブルース・ガットラヴが岩見沢に設立した日本初のカスタムクラッシュ施設です。自前の醸造設備を持たない栽培農家や新興醸造家が委託醸造できる場を提供し、ガットラヴ氏が惜しみなく技術と知識を共有しています。ここを巣立ったノラクラ・ドメーヌ・トイ・ドメーヌ・ブレスは今や日本屈指のナチュラルワインとして高い評価を受けています。
- 空知は雪が多いと聞きましたが、ブドウ栽培に影響はありますか?
- 浦臼町では年間降雪量が8メートル前後に達します。しかしこの雪は、-20℃以下になる冬の寒さからブドウの根と幹を守る天然の断熱材として機能します。冬は樹を低く仕立てて積雪に埋まるようにするか、わらで覆って保護する方法がとられ、これは世界の主要ワイン産地の中でも北海道ならではの栽培技術です。
- 空知ワインはどこで購入できますか?
- 空知ワインは少量生産で予約・割当制のものも多いです。北海道内では岩見沢の「空知ワインステーション」や産地内のワイナリー直売所で幅広く入手できます。道外では東京の日本ワイン専門店やnippon.wineなどのオンラインショップで取り扱いがあります。海外向けには、日本のナチュラルワインに特化したインポーターが10Rや関連ラベルを扱い始めています。