エリム
Elim
アフリカ最南端、強風が育む塩を帯びたソーヴィニヨン・ブラン
エリムについて
- 掲載している生産者
- 8軒
エリムはアフリカ大陸最南端、大西洋とインド洋がぶつかる地点に近いケープ・アグラス地区内のワード(Wine of Originワード)。本格的なブドウ栽培が始まったのは1996年と非常に新しく、パイオニアであるランズ・エンドとゾーテンダルが強風吹きすさぶアグラス平原に初めて商業用ブドウ樹を植えた。まもなくブラック・オイスターキャッチャー、ザ・ベリオ、ストランドフェルドが続き、1990年代後半に独立したワードとして正式に区分された。南アフリカで最も過酷な海洋性気候を持つ産地のひとつで、絶え間なく吹く南東風・南西風がブドウの樹冠を常に傾かせるほどで、夏場の気温も低く保たれる。土壌は鉄分を豊富に含むフェリクリート(コフィークリップ)、石英岩、風化したボッケフェルト頁岩などからなり、ワインに塩味を帯びたミネラル感を与える。エリムを代表する品種はソーヴィニヨン・ブランで、燧石(フリント)や燻香、牡蠣殻を思わせるミネラル感が特徴。サンセールやプイィ・フュメに例えられることも多い。セミヨンや冷涼系のシラーも注目される。
こんな方に
キリッとした酸とミネラル感、潮の香りを纏うソーヴィニヨン・ブランを求める方、冷涼産地の新しいテロワールを探求したい方に。
ペアリング
生牡蠣や白身魚の刺身、魚の塩焼き、天ぷら、酢の物などとの相性が抜群。ソーヴィニヨン・ブラン特有の潮っぽいミネラル感と酸が、素材の旨みを引き立てる。
生産者
Black Oystercatcher Wines
ブラック・オイスターキャッチャー・ワインズ
ブラック・オイスターキャッチャー・ワインズは、代々ヒューマン家が農業を営んできたモッダーヴレイ農場に拠点を置く家族経営のワイナリー。1998年、栽培家・醸造家であるダーク・ヒューマンがこの地にブドウ樹を植え、アフリカ大陸最南端に近い、辺境の海洋性ワード「エリム」における開拓者の一人となった。初リリースは2003年で、現在は年間約8万本を生産する。エリム、ブレダスドープ、アガラスの3つの町に囲まれた立地で、砂質の平地、湿地帯、石灰岩、石灰質の砂丘という多様な土壌に加え、大西洋とインド洋の両方から吹き付ける冷涼な風の影響を強く受ける、南アフリカでも有数の冷涼かつ過酷な栽培環境を持つ。ワイナリー名は、この荒々しい海岸線に生息する希少な海鳥「ミナミクロミヤコドリ(African Black Oystercatcher)」に由来し、ブドウ樹と同じくこの土地でたくましく育つ姿を重ねている。同ワイナリーは The Berrio、Zoetendal、First Sighting とともに「エリム・ワイングロワーズ」を設立した中心メンバーであり、「Real wine, Real people(本物のワイン、本物の人々)」を掲げてエリムのワードをけん引している。ラインナップの中心は冷涼気候ならではの白ワインで、ソーヴィニヨン・ブラン(リザーブ、ブラン・フュメ、野生酵母仕込みを含む)、野生酵母仕込みのセミヨン、ブレンド「ホワイト・パール」に加え、ケープ・クラシック製法のブリュット・ロゼも手掛ける。赤はシラー主体で、100%シラーの「スワート・トビー」や、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ムールヴェドルをブレンドした「トリトン」などがある。
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blackoystercatcher.co.za/Ghost Corner
ゴースト・コーナー
ゴースト・コーナーは、南アフリカの名門ワイナリー、セダーバーグ・プライベート・セラー(Cederberg Private Cellar)を率いる醸造家デイヴィッド・ニーウォウト(David Nieuwoudt)が手掛ける、単一畑志向のワインレンジ。ブドウはアフリカ大陸最南端付近、ケープ・アガラス近郊のエリムで栽培される。この一帯は磁北と真北のずれが生じないほど特異な海域で、130隻を超える難破船が眠ることから『スプークドラーイ(Spookdraai=ゴースト・コーナー)』と呼ばれる。醸造・熟成は約300km北にあるセダーバーグの醸造所で行われる。※ケープ・ポイント・ヴィンヤーズ(Cape Point Vineyards)のセカンドラベルと誤解されることがあるが、両者に関係はない。ケープ・ポイント・ヴィンヤーズの実際のセカンドラベルは『スプラタード・トード(Splattered Toad)』である。ゴースト・コーナーは、石灰質土壌・スレート・砂利質と冷涼な南東風が育む、ソーヴィニヨン・ブラン(ワイルド・ファーメント含む)、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン×セミヨンのブレンド『ザ・ボウライン』、ピノ・ノワールなどをラインナップする。
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www.ghostcornerwines.com/Land's End
ランズ・エンド
ランズ・エンドは、南アフリカ最南端かつ最も冷涼なワイン産地、ケープ・アガラス近郊のエリム・ワードで、初めてブドウ栽培を切り拓いたパイオニアブランドです。1996年、醸造家チャールズ・ホプキンス、栽培家ヨハン・ウィーゼ、会計士ピーター・フェレイラ、ラ・モット社のハイン・クーゲレンベルグら「気の合う仲間であり型破りなワイン愛好家たち」が結成したシンジケートが、同ワード最初の15haを植樹しました。当時は業界の規制緩和によって新たに開放されたばかりの土地で、彼らはエリムの厳しい夏の海風と冷涼な海洋性気候が、際立った凝縮感と塩味を持つソーヴィニヨン・ブランを生むと見込んでいました。農園主ヨハン・デ・コックもこの創設グループの一員として畑を管理していましたが、2004年に独立し、近隣で自身のブランド「ズーテンダル」を立ち上げています。ランズ・エンド自体は、1999年ヴィンテージのソーヴィニヨン・ブラン(エリム・ワード初の原産地呼称ワイン)でエリムワインとしての初リリースを果たし、自社ブランドとしての正式なリリースは2000年ヴィンテージから続いています。現在の畑は約15ha、主にソーヴィニヨン・ブランを中心に、シラーズ、セミヨン、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルドを栽培し、海から約17kmの立地で、塩気を含む冷涼な海風と鉄分を多く含む砂利質土壌が、果実に凝縮感と酸を与えています。2016年、ブリードクルーフのワイン農家フランソワ・ボータがブランドを買収して会長に就任し、デュトワスクルーフ(DTKワインズ)のセラーマスター、ショーン・トムソンと栽培責任者レオン・ディッペナールとタッグを組みました。以来ランズ・エンドは、デュトワスクルーフやクエストと並ぶDTKワインズのブランドの一つとして生産・展開されています。現在のラインナップは、エリム/アガラス産のブドウのみを使う上位ティアと、ケープ・サウス・コースト全域からブドウを集める下位ティアの2段階で構成されるソーヴィニヨン・ブランとシラーが中心で、シラーは海を思わせるフィンボス香とまとまりのある味わい、ソーヴィニヨン・ブランは貝殻を思わせるフリンティな風味と際立った凝縮感で知られています。ランズ・エンドは現在もブラック・オイスターキャッチャーやズーテンダル、ゴースト・コーナー、ストランドフェルドなどとともに「アガラス・ワイン・トライアングル」の一員として活動を続けています。
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www.dtkwines.com/lands-endStrandveld Vineyards
ストランドヴェルド・ヴィンヤーズ
ストランドヴェルド・ヴィンヤーズは、エリムとケープ・アガラスの間、大西洋とインド洋が出会う海岸からわずか9kmに位置する、アフリカ最南端のワイナリーです。2001年、ワイン愛好家の仲間たちが羊と小麦の農場を買い取ってワイン造りに転身し、2002年から2004年にかけてブドウ畑を開墾。2004年末には醸造家コンラッド・ヴロック氏が加わり、初ヴィンテージを手掛けました。約80ヘクタールの畑は浅く痩せたミネラル豊富な土壌からなり、大西洋から吹き付ける絶え間ない強風がブドウの成熟を緩やかにし、風味を凝縮させます。栽培品種はソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、シラーズ、ピノ・ノワールを中心に、グルナッシュ・ノワール、ヴィオニエ、ムールヴェドルも少量栽培。ボルドー・スタイルのソーヴィニヨン・ブラン/セミヨン・ブレンド「アダマストール」を筆頭とするフラッグシップ「ストランドヴェルド」レンジと、アフリカ最南端を最初に発見した15世紀ポルトガル人探検家たちに敬意を表した、親しみやすい「ファースト・サイティング」レンジを展開しています。
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strandveld.co.za/The Berrio
ザ・ベリオ
ザ・ベリオは、南アフリカ大陸最南端のワインワード「エリム」、大西洋とインド洋が交わるケープ・アガラス平原に位置する小規模なテロワール志向のワインプロジェクト。畑はアガラス平原で長く農業を営んできたプラット家が所有し、2001年頃、栽培家フランシス・プラットとフラッグストーン・ワイナリー創業者である醸造家ブルース・ジャックのパートナーシップとして立ち上げられた。名前は、1497年にヴァスコ・ダ・ガマがインド航路開拓のためケープ・アガラスを回った際の艦隊4隻の一つ「ベリオ号」に由来しており、近くを流れる川の名前ではない。当初のパートナーシップは7ヴィンテージを世に送り出した後、2008年にジャックがフラッグストーンを売却したことで解消し、以降はプラットが単独で栽培・醸造を継続。2018年にジャックがプロジェクトに復帰し、2020年に経営権を完全取得、2021年にブランドを再始動させた。ザ・ベリオは、ブラック・オイスターキャッチャー、ゾーテンダル、ストランドフェルトとともにエリム・ワイングロワーズ協同組合の設立メンバーの一つである。三方から吹き付ける強い海風が畑を冷やし、成熟期間を引き延ばす一方、約3億3000万年前(ゴンドワナ大陸衝突期)に形成されたミネラル豊富な頁岩・砂利・ラテライト質の土壌が、ワインに特徴的な緊張感を与えている。看板ワインのソーヴィニヨン・ブランはプラッターズ南アフリカワインガイドで5つ星評価を繰り返し獲得し、2022年ヴィンテージは2024年ファイン・ワイン・アワードで南アフリカ最優秀ソーヴィニヨン・ブラントロフィーを受賞。ラインナップにはソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンド「ザ・ウェザーガール」やカベルネ・ソーヴィニヨンも含まれる。
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The Giant Periwinkle
ザ・ジャイアント・ペリウィンクル
ザ・ジャイアント・ペリウィンクルは、南アフリカ最南端かつ最も冷涼なワイン産地であるケープ・アグラス・ワイン地区、エリム地区に位置するブティックワイナリーで、アグラス・ワイン・トライアングルのメンバーでもあります。かつてケープタウンで弁護士をしていた醸造家ピエール・ラビーが、2009年にブレダスドープ近郊で最初のブドウを植え、2011年に初ヴィンテージを醸造。当初は借りたセラーで少量生産する「ガラージスト」スタイルから始まりました。現在はバールドスキーダーズボス近郊のサウス・ケープ・ヴィンヤーズ農場を拠点とし、パートナーのカレン・ヴァン・ヘルデン(栽培担当)、ロバート・ステルツナー(マーケティング担当)と共に運営しています。名前の由来は「アリクロイケル」と呼ばれる大きな食用巻貝(英語で giant periwinkle)で、ラビーがケープ・アグラス沿岸のシュイダーストランド付近でダイビング中に見かけたことにちなみます。手摘み・全房発酵・最小限のろ過といった非介入的な哲学のもと、高い自然酸度と低いpHを特徴とするこの塩気を帯びた冷涼なテロワールの個性をそのまま表現しています。ラインナップは軽く樽熟成させたソーヴィニヨン・ブラン「ブラン・フュメ」と、樽を使わない「ウィンド・スコーピオン」を中心に、「ケルプ・フォレスト・シラー」「サン・スパイダー・ピノタージュ」を揃える小規模な構成です。2020年にはマグナムボトルのみで瓶詰めする2つ目のブランド「コウベルグ・ワインズ」も立ち上げました。
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giantperiwinkle.co.za/Trizanne Signature Wines
トリザン・シグネチャー・ワインズ
トリザン・シグネチャー・ワインズは、2008年に醸造家トリザン・バーナードが立ち上げた南アフリカのブティックブランド。ステレンボッシュ大学でブドウ栽培・醸造学を学んだ後、オーストラリア・フランス・ポルトガルで研鑽を積み、帰国後はクライン・コンスタンシアの醸造チームに参加。2004年にはボルドーの生産者と共にアンウィルカ・ワインズの立ち上げにも携わり、2008年に自身のネゴシアン型プロジェクトを始めた。自社畑を持たず、エリムのブラック・オイスターキャッチャー畑をはじめケープ・サウスコーストとスワートランドの契約農家から厳選したブドウを調達。大西洋の海霧の影響を受け冷涼なエリム(ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、冷涼系シラーに好適)と、地中海性気候で温暖なスワートランド(シラー、サンソー)という対照的なテロワールを使い分ける。ラインナップはプレミアムな単一畑シリーズ「シースケープ・レンジ」と、より親しみやすい「TSWレンジ」の2つ。熱心なサーファーでもあるバーナードは「ワインはその土地の味がすべきだ」という信念のもと、手摘み収穫・全房圧搾・低介入の醸造で、フレッシュさと塩味、エネルギー感を大切にしている。
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www.trizanne.co.za/Zoetendal
ズーテンダル
ズーテンダルは、南アフリカ最南端かつ最も冷涼なワイン産地であるケープ・アガラス地区、エリム・ワードのニューウェヤールズ川沿いに位置するブティックワイナリーです。農園主ヨハン・デ・コックは1996年、「ランズ・エンド」というグループの一員としてエリム地区のブドウ栽培を切り拓き、同ワード最初の15haを植樹しました。2004年に独立し、自らのブランド「ズーテンダル」を立ち上げています。農園名は1673年にこの沖合で難破したオランダ東インド会社の船「ズーテンダル号」に由来します。生存者が上陸して見つけた淡水湖は「ズーテンダルスフレイ(甘い谷・甘い湖の意)」と名付けられ、その名が地域とワイナリーに受け継がれています。畑は鉄分を多く含む「コフィークリップ」と呼ばれる小石混じりの土壌に加え、頁岩・花崗岩・石英質土壌からなり、絶え間ない海風と強い南東風にさらされる厳しい環境が、凝縮感のある果実を育てています。ズーテンダルはブラック・オイスターキャッチャー、ザ・ベリオ、ファースト・サイティングとともに「エリム・ワイングロワーズ」協同組合の設立メンバーであり、2024年には醸造家ブルース・ジャックと共同でブラック・オイスターキャッチャー社の過半数株式を取得し、エリム・ワードを拠点とする初のBBBEEレベル2認証ワインビジネスを形成したと伝えられています。また、農園周辺の生態学的に重要な湿地帯を保護する「ニューウェヤールズ・ウェットランズ保全団体」の公式メンバーでもあります。2021年のリニューアル以降は、ワイン造りに加え宿泊施設・レストラン・ハイキングやサイクリングコース・ゲームドライブ・カヌーなど農園でのホスピタリティ事業も展開しています。ラインナップは冷涼な気候由来の酸を活かしたソーヴィニヨン・ブラン(フレンチオーク樽熟成のシングルヴィンヤード「リミテッド・エディション」を含む)を中心に、シングルヴィンヤードのシラーズ「シニャトゥーラ」、ボルドー品種主体の赤ブレンド「モナーク」、シュナン・ブラン、伝統製法スパークリングの「エンプレス」(カップ・クラシック)、標高の高い隣接産地スウェレンダムの畑から造るシャルドネなどを揃えています。
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zoetendal.co.za/
よくある質問
- エリムの気候はなぜそれほど過酷なのですか?
- エリムはアフリカ大陸最南端、大西洋とインド洋が出会う場所に位置し、ほぼ絶え間なく吹く南東風・南西風の影響を受けます。この強風が夏場の気温を大きく下げ、ブドウの樹冠を傾けるほどの影響を与えています。
- エリムがWine of Originワードとして認定されたのはいつですか?
- 商業栽培は1996年にランズ・エンドとゾーテンダルが最初のブドウを植えたことに始まり、1990年代後半にケープ・アグラス地区内の正式なWine of Originワードとして区分されました。南アフリカでも特に新しいワイン産地のひとつです。
- エリムを代表するブドウ品種は何ですか?
- ソーヴィニヨン・ブランがエリムの看板品種で、燧石や燻香、牡蠣殻を思わせるミネラル感が特徴。サンセールやプイィ・フュメに例えられることもあります。
- エリムを有名にした生産者は誰ですか?
- パイオニアであるランズ・エンドとゾーテンダルが最初に植樹し、続いてブラック・オイスターキャッチャー、ザ・ベリオ、ストランドフェルドが続きました。この5生産者が現在もエリムを代表する存在です。
- エリムの土壌はワインにどう影響しますか?
- 鉄分を豊富に含むフェリクリート(コフィークリップ)や石英岩、風化したボッケフェルト頁岩が、他の南アフリカ産ソーヴィニヨン・ブランとは一線を画す塩味のあるミネラル感を生み出しています。