岩手県
Iwate
ボルドー似の地質が育む、生産量全国5位の産地。
岩手県について
- 掲載している生産者
- 12軒
- ワイナリーの多い市町村
- 花巻市・葛巻町
- 2010年以降の設立
- 58%
- 設立年がわかる12軒のうち7軒
東北地方に位置する岩手県は、日本ワインの生産量で全国5位を誇る産地。県南部で約5億年前、県北部で約2億年前という新旧入り混じった古い地層がブドウ畑に個性的なミネラル感を与えている。中心地は花巻市大迫地区で、少雨・昼夜の寒暖差・石灰岩質土壌という、ボルドー地方に似た気候風土を持つ。2016年、花巻市は内閣府の構造改革特区「花巻クラフトワイン・シードル特区」に認定され、酒類製造免許の最低製造数量基準が緩和されたことで小規模ワイナリーが急増。亀ヶ森醸造所、アールペイザンワイナリー、もんのすけ農園などが誕生し、1962年創業の老舗エーデルワインとともに産地を形成している。リースリングとワイン用甲州三尺を交配した日本育成品種「リースリング・リオン」が代表品種で、ツヴァイゲルト、シャルドネ、ナイアガラ、キャンベル・アーリーなども栽培される。ワインと並びクラフトシードルの産地としても高く評価されている。
こんな方に
ミネラル感のある冷涼系白ワインや、クラフトシードルが好きな方に。
ペアリング
前沢牛をはじめとする岩手牛、三陸産のウニ・牡蠣などの新鮮な魚介、山菜の天ぷらといった郷土料理との相性が良い。冷涼な酸を活かした白ワインはわんこそばの薬味とも好相性。
岩手県のワイナリーマップ
Vinamiに掲載している岩手県のワイナリーのうち、所在地を確認できた12軒を地図と一覧で紹介します。
市町村別のワイナリー
- 葛巻町1軒
- 岩手くずまきワイン1986年設立
- 紫波町1軒
- 自園自醸ワイン紫波2005年設立
- 盛岡市1軒
- 五枚橋ワイナリー2001年設立
- 平泉町1軒
- 平泉ワイナリー2017年設立
- 野田村1軒
- 涼海の丘ワイナリー2016年設立
- 陸前高田市1軒
- ザ・リアスワイン1905年設立
所在地と設立年は、各ワイナリーの公式サイトや自治体・業界団体などの公開情報で確認しています。出典は各生産者のページに記載しています。
生産者
Art Paysan Winery
アールペイザンワイナリー
2019年に岩手県花巻市で開業したアールペイザンワイナリーは、社会福祉法人悠和会が運営する障がい者就労支援施設です。2016年に花巻市が「クラフトワイン・シードル特区」の認定を受けたことで、小規模事業者でも酒類製造免許の取得が可能になり、開業が実現しました。美しい棚田や山々を見渡す丘の上に立地し、高齢化した農家から引き継いだ果樹園を含む自社農園で、農薬を抑えて栽培したぶどうやりんごを使うドメーヌスタイルを貫いています。「アール(芸術)」と「ペイザン(農夫)」を組み合わせた名前には、ワインやシードルを芸術の域まで高めたいという想いが込められています。「葡萄の栽培と果実酒の醸造を通じて障がい者の就労の場を作り、彼ら自身が地域の課題を解決する担い手、地域にとってかけがえのない存在として活躍できるような場所にすること」を使命として掲げています。
探索する →
artpaysanwinery.wixsite.com/websiteEdelwein
エーデルワイン
1962年、岩手県花巻市大迫町にて創業したエーデルワインは、日本のワイン造りのパイオニア的存在です。地元農家34戸との契約栽培から始まった歴史を持ち、北上盆地の冷涼な気候とテロワールを活かしたワイン造りに注力しています。ナイアガラやツヴァイゲルトレーベ、シャルドネなどを得意とし、国内外のコンクールで数々の賞を受賞しています。「みんな、笑顔に。」を理念に掲げ、和食の繊細な味わいに寄り添う、食事との相性を重視したワイン造りが特徴です。
探索する →
www.edelwein.co.jp/Gomaibashi Winery
五枚橋ワイナリー
2001年、岩手県盛岡市で夫婦二人により創業した五枚橋ワイナリー。開業当初は自ら選んだオーストリアワインの輸入販売から始まり、同じ年に地元産のりんごを使った林檎ワインの醸造・販売もスタートしました。翌2002年には醸造所裏手の丘を開墾して自社畑を造成し、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを植樹。2005年には西欧品種による自社畑赤ワインの初リリースを迎えました。ぶどうは一粒ずつ手作業で選果し、りんごはすべて芯をくり抜いてから仕込む徹底ぶりで、赤ワインは年間約1,000本の限定生産。北上川沿いのりんごを使ったシードルや林檎ワインも手がけ、現在もオーストリアワインの輸入販売を続けています。
探索する →
www.gomaibashi.com/Hiraizumi Winery
平泉ワイナリー
平泉ワイナリーは、岩手県平泉町にある農事組合法人アグリ平泉が2017年に立ち上げた、地元農家による小さなワイナリー。「農家の造る手造りワイン」をコンセプトに、休耕田を転換した約1.6haの畑で、キャンベル・アーリー、ナイアガラ、デラウェア、ピノ・ノワール、山ブドウなど約8品種を栽培している。化学肥料を使わず有機肥料のみで育て、束稲山のふもとに広がる粘土質の畑では、水はけ対策として畝を高く盛り上げるなど工夫を重ねている。2021年からは、長野県の千曲川ワインアカデミーで学んだ武居紹子さんが栽培・醸造を担当し、補糖・補酸を行わず、ブドウ本来の味わいを尊重した無ろ過のワイン造りを続けている。看板ブランド「Ora(おら)」は、エスペラント語で黄金を意味する「Ora」と、方言で「私たち」を意味する「おら」を掛け合わせた名前で、1000年の歴史を持つ平泉の黄金文化を映している。ラインナップはOraキャンベル(赤)、Oraナイアガラ(白)、Oraデラウェア(オレンジ)、Ora山ブドウ(赤)のほか、平泉産・陸前高田産のふじりんごを使ったシードルなど。ワイナリー自体の見学は現在受け付けていない。
探索する →
agri-hiraizumi.com/Iwate Kuzumaki Wine
岩手くずまきワイン
「ミルクとワインとクリーンエネルギーのまち」として知られる岩手県葛巻町に位置する岩手くずまきワインは、山ぶどうを専門とするワイナリーです。冷涼な気候と大きな寒暖差を活かし、高品質なぶどうを栽培しています。山ぶどう特有の豊かな酸味と高いポリフェノール含有量を活かしたワイン造りが特徴で、和食との相性が抜群です。伝統的な醸造技術と北上山地の自然の恵みを融合させ、テロワールを表現した赤、白、スパークリングなど多様なワインを生産しています。工場見学や試飲ができる直売店「森の館ウッディ」、体験学習施設「森のこだま館」も併設しています。
探索する →
kuzumakiwine.co.jp/Kamegamori Brewery
亀ヶ森醸造所
合同会社亀ヶ森醸造所は、岩手県花巻市大迫町、盆地状で穏やかな気候の大迫地区にある小さな手作りワイナリー・シードリーです。2002年からぶどう栽培を始めた大和田博氏と、地元のりんご農家の2人が2015年に創業し、2016年に醸造免許を取得しました。原料の90%以上を自社栽培し、除草剤・化学肥料・堆肥を使わず、土壌に棲む微生物の力を借りる自然な栽培を実践しています。補糖・補酸をせず、2021年11月仕込み以降は亜硫酸塩も無添加。ワインは無濾過で瓶詰めされ、多くはビン内二次発酵による優しい発泡感を持ちます。アーリースチューベン、ヒムロット、キャンベル・アーリー、ナイアガラ、メルローなど多品種を少量ずつ醸造し、岩手県内や東京の酒販店・飲食店を中心に販売。2024年には敷地内に農家民宿「友月庵」もオープンしました。
探索する →
kamegamori.com/Monnosuke Farm
もんのすけ農園
もんのすけ農園は、岩手県花巻市(東北自動車道・花巻南ICから車で5分ほど)にある、家族経営の小さな果樹園兼醸造所です。代表の菅原徳悟氏は2017年に実家の果樹園で就農し、2018年度より自家栽培のりんごを使ったシードルの販売を開始しました。2021年9月に自家醸造所が完成し、同年10月には花巻クラフトワイン・シードル特区を活用して果実酒製造免許を取得。約70アールの畑でメルロー、ツヴァイゲルトレーベ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング・リオン、ゲヴュルツトラミネールの葡萄と4種のりんごを栽培し、2022年春には自社畑のワインを初リリースしました。農園名の『もんのすけ』は菅原家に代々伝わる屋号で、託された土地への感謝と、ふるさと花巻を思い出させる味わいを届けたいという思いが込められています。
探索する →
monnosukefarm.com/Ohasama Sato Vineyard
大迫佐藤葡萄園
大迫佐藤葡萄園は、岩手県花巻市大迫町にあるドメーヌ型の個人ワイナリー。代表の佐藤直人さんは医療機器メーカーのエンジニアで、ベルギーやアメリカへの駐在中にワインの魅力に触れ、56歳だった2016年に早期退職して地元花巻市にUターン。2017年からぶどう栽培を始め、2020年末にワイナリーを開設、2021年産で初ヴィンテージをリリースしました。降水量が少なく、寒暖差が大きい弱アルカリ性の石灰岩質土壌が広がる約65〜70アールの自社畑で、メルロー、ツヴァイゲルトレーベ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング・リオン、ゲヴュルツトラミネールを栽培。農業未経験だった佐藤さんは、元技術者としてのデータ分析スキルを生かした「スマートワイナリー」を掲げ、樹ごとのマトリックス管理やアメダス気象データ、PDCAサイクルを活用して栽培管理を行い、ヴェレゾン期までの房の健全性維持と病果の丁寧な除去を徹底。クリアでオーソドックスな醸造により、和食との相性を重視した飲み飽きしないワインを目指しています。
探索する →
ohsmsatovineyard.com/Shiwa Fruits Park Wine
自園自醸ワイン紫波
自園自醸ワイン紫波は、岩手県紫波町にあるワイナリーで、株式会社紫波フルーツパークが運営し、2005年に醸造を開始しました。「町内で育てたぶどうを町内で醸す」という自園自醸の理念のもと、北上盆地の契約農家約25軒から仕入れる高品質なぶどうのみを使用。『よいぶどうからしか、よいワインはできない』という信念に基づき、収穫後3日以内に搾汁して鮮度を守ります。リースリング・リオン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ツヴァイゲルトレーベなどの赤品種と、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュラー・トゥルガウ、モンドブリエなどの白品種、計9品種を栽培し、岩手の冷涼な気候を映した爽やかでフルーティーなワインを生み出しています。日本ワインコンクールでは「紫波メルロー」が2024年に銅賞、「レプリゼント紫波[白]」が2022年に奨励賞を受賞しました。
探索する →
www.shiwa-fruitspark.co.jp/winery/Suzumi-no-oka Winery
涼海の丘ワイナリー
涼海の丘ワイナリーは、岩手県九戸郡野田村に生まれた村内初のワイナリーです。東日本大震災からの復興事業として2016年に操業を開始し、野田村産の山葡萄(ヤマブドウ)100%にこだわったワイン造りを行っています。日本随一の山葡萄産地である野田村・岩手県の中でも、実が小さく種が多くジュースが取りにくい希少な山葡萄を、太平洋から吹く冷涼な「やませ」がゆっくりと熟させます。ワインは村内の旧マンガン鉱山の坑道で貯蔵・熟成され、年間を通じて8〜12℃・湿度80%前後という安定した環境が保たれています。醸造を担うのは、23年間のホテルマン経験を経てシニアソムリエ資格を取得し、岡山県の「ひるぜんワイン」で研修を積んだ坂下誠氏。マロラクティック発酵に加え、冬場の冷気を活かして庫内をマイナス5℃まで下げ、酒石を析出させて酸を和らげる独自の手法で、山葡萄特有の鋭い酸味をエレガントな味わいへと仕上げています。看板銘柄「紫雫(しずく)」は赤・ロゼ・樽熟成タイプを展開するほか、2025年11月からは山梨大学開発の新品種「ヤマブラン」を使ったワインも岩手県内で先駆けて生産しています。
探索する →
winery.nodaeki.com/Takahashi Vineyard
高橋葡萄園
高橋葡萄園は、岩手県花巻市大迫町に本拠を置く家族経営の小規模ワイナリー。栽培・醸造を一貫して手がける高橋喜和氏は、1996年から地元大迫でぶどう栽培を続け、オーストリアでの研修を経て2015年に自家醸造を開始した。マイナス12〜13度にも達する岩手の厳しい冬に耐える品種として、リースリング・リオン、ミュラートゥルガウ、ツヴァイゲルトレーベ、ピノ・ノワール、キャンベル・アーリーを栽培し、除草剤を使わない草生栽培で土中微生物と団粒構造を守っている。醸造では補糖・補酸を極力避け、ぶどう本来の糖と酸を生かす丁寧な手作業を貫き、「柔らかいが芯のある」、食卓に自然に寄り添うワインを目指している。
探索する →
weinbautakahashi.com/The Rias Wine
ザ・リアスワイン
ザ・リアスワインは、岩手県陸前高田市の三陸海岸に1905年(明治38年)創業した神田葡萄園が手がけるワインブランド。昭和28年(1953年)に一度は果実酒製造免許を返上したが、2015年に6代目・熊谷晃弘氏が代表に就任し、2016年にワイン造りを再開。地元三陸の豊かな海の幸とのマリアージュをコンセプトに『海のワイン』を掲げる。自社畑ではアルバリーニョを中心に、リースリング・リオン、ソーヴィニョン・ブラン、アルモノワール、マスカット・ベーリーAなどを栽培し、リアス式海岸ならではのミネラル感とキレのある酸、後味のほのかな塩味を表現する。東日本大震災の津波被害を乗り越え、地域復興の象徴的存在となっている。
探索する →
riaswine.com/
よくある質問
- 岩手県はどんなワイン産地ですか?
- 日本ワインの生産量で全国5位を誇る産地で、大迫地区の石灰岩質土壌はボルドー地方に似ているとされる。2016年には花巻市が特区認定を受け、小規模ワイナリーが急増した。
- 「花巻クラフトワイン・シードル特区」とは何ですか?
- 2016年に内閣府が認定した構造改革特区で、果実酒製造免許取得に必要な最低製造数量基準を緩和する制度。これにより小規模事業者でもワイナリー・シードリーを開業しやすくなった。
- 岩手県を代表するブドウ品種は何ですか?
- リースリングと甲州三尺を交配した日本育成品種「リースリング・リオン」が代表品種で、冷涼な気候に適し、香り高い上質な白ワインを生み出す。
- 岩手ワインにはどんな料理が合いますか?
- 前沢牛などの岩手牛、三陸産のウニ・牡蠣といった新鮮な魚介、山菜料理など、地元の郷土料理との相性が良い。