カリッツドープ
Calitzdorp
南アフリカの「ポートの都」。ポルトガル系品種の酒精強化ワインが主役。
カリッツドープについて
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- 7軒
カリッツドープは、南アフリカ・クラインカルーの盆地状の地形に位置する小さなワード(区)。ラディスミスとウーツフーンを結ぶルート62沿いにあり、スワートベルグ、ローイベルグ、ハムカベルグの山々に三方を囲まれている。南アフリカの「ポートの都」として広く知られ、ティンタ・バロッカ、トゥーリガ・ナシオナル、ソウザォンといったポルトガル系品種を用いたケープ・ヴィンテージ、ケープ・ヴィンテージ・リザーブ、ケープ・トウニーなどの酒精強化ワインでその名声を築いてきた。半乾燥気候はポルトガルのドウロ地方と非常によく似ており、年間降水量は約200〜230mm、2月の平均気温は約23.7℃、夏の日中は40℃に達することもある一方、南方約72kmのインド洋から吹き込む午後の風が夜を涼しくする。この大きな寒暖差が酸を保ちながら風味の凝縮感を生み出す。土壌はドウロ地方に似た片岩・頁岩と、赤みを帯びた沖積土が中心で、クラインカルー全体ではブドウ畑が標高700mに達することもある。Boplaas、De Krans、Axe Hillといった老舗生産者が国際的な評価を牽引しており、近年は同じポルトガル系品種を使った辛口赤ワインへの関心も高まっている。
こんな方に
酒精強化ワイン愛好家、ケープ・ヴィンテージやケープ・トウニーを探すコレクター、ドウロ地方に似た気候を持つルート62の山あいの盆地を訪れたい旅行者に最適。
ペアリング
濃厚なチョコレートデザート、ブルーチーズ、ドライフルーツ、ナッツ類との相性が定番。ケープ・トウニーはクレームブリュレやローストナッツにも合い、辛口の赤ワインはジビエ料理のグリルとよく合う。すき焼きの締めにケープ・トウニーを合わせるのも面白い。
生産者
Axe Hill
アックス・ヒル
アックス・ヒルは、南アフリカのクライン・カルー地方カリッツドープに位置する、家族経営の小規模ブティックワイナリー。カリッツドープはポルトガルのドウロ地方を思わせる乾燥した暑い気候と、ポルトガル系品種の集積地であることから「南アフリカのポート首都」とも呼ばれる。畑(ウェソウワー農園)は1993〜94年、ケープの著名なワインライター兼コンサルタントであったトニー・モソップ氏が妻リン氏とともに開墾・植樹した。農園名は、この地で発見された石器時代の手斧(先史時代の人類が使用したとされる)に由来する。2007年からはワインメーカーのマイク・ニーベ氏が妻パム氏とともにオーナー兼醸造責任者を務めており、ポルトガル・ドウロ地方での収穫経験も持つ。アックス・ヒルはほぼポルトガル系品種に特化しており、特別な年にはトゥーリガ・ナシオナル、ティンタ・バロッカ、ティンタ・ロリス、ソウザオンをブレンドした伝統的なケープ・ヴィンテージ・ポートを、手摘み選果・開放式ラガーでの足踏み破砕・古いフレンチオーク樽での熟成という伝統製法で仕込む。ほかにケープ・ルビーやLBVスタイルのポート、シュナン・ブランを新旧ヴィンテージのフラクショナル・ブレンドで仕上げる希少な樽熟ドライ・ホワイト・ポートも生産する。同じポルトガル系品種を用いた非酒精強化の赤ワインや、「ガトス」ブランドでの少量限定の実験的キュヴェも手がける。1997年デビュー・ヴィンテージはジョン・プラター・ガイドで5つ星を獲得し、2009年ヴィンテージは2012年オールド・ミューチュアル・トロフィー・ワイン・ショーでベスト・ケープ・ポートを受賞している。
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axehill.co.za/Boplaas Family Vineyards
ボプラス・ファミリー・ヴィンヤーズ
1880年、クライン・カルー地方カリッツドープ、スワートバーグ山脈の麓に設立されたボプラス・ファミリー・ヴィンヤーズは、南アフリカで最も数多くの受賞歴を誇る酒精強化ワイン生産者のひとつで、現在はネル家の六代目が経営を担っています。五代目のカレル・ネルはケープ・ワイン・マスターの資格を持ち、南部ケープ出身者として初めてケープ・ワインメーカーズ・ギルドに加入、1993年にはケープ・ポート生産者協会(CAPPA)の初代会長を務めた人物です。1980年に家業に加わって以降、醸造所を刷新し、1920年代初頭の蒸留免許廃止により約70年間止まっていたポットスチルを再稼働させ、1989年には南アフリカ初のドライ・ケープ・ポートの開発にも携わりました。同家の歴史は1880年、牛車でポットスチル・ブランデーの樽をロンドンへ初輸出したことに遡り、1994年に発売した初の自社蒸留ブランデーはネルソン・マンデラ大統領就任式の晩餐会で供されました。現在は六代目のマルゴー・ネル(醸造責任者)、ダニエル・ネル(蒸留責任者)、ロザンヌ・ネル(マーケティング)が経営を担っています。オリファンツ川沿いの沖積土壌とクライン・カルー特有の高温乾燥な半砂漠気候を生かし、ケープ・ヴィンテージ、ケープ・トウニー、ケープ・ルビーといったポートスタイルワインの代表格に加え、トゥーリガ・ナシオナルやティンタ・バロッカなどポルトガル系品種のテーブルワイン、ポットスチル・ブランデー、ウイスキーまで幅広く手がけています。ケープ・ポート・スタイル部門での南アフリカ・チャンピオン受賞歴多数、フォーティファイド・ワイン・オブ・ザ・イヤーを複数回受賞、ミケランジェロ国際ワイン&スピリッツ・アワードでベストセラー賞、ヴェリタスのダブルゴールドやプラッターズ5つ星評価も多数獲得しています。
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boplaas.co.za/Calitzdorp Wine Cellar
カリッツドープ・ワイン・セラー
1928年2月、地元農家によって「カリッツドープ・フルーツ輸出協同組合(Calitzdorp Vrugte Uitvoerders Kooperatiewe Vereeniging Beperk)」として設立された協同組合ワイナリー。当初はブドウ・桃・杏などの果実輸出を手がけ、その後ワイン醸造に本格移行し、長年にわたり近隣アウツホーンの蒸留所へバルクワインやブランデー原酒を供給してきた。世界最長のワインルートとして知られるルート62沿い、「南アフリカのポートワインの都」と称されるカリッツドープの町に位置し、現在はガムカ・ヴァレー一帯の約40の組合員農家・約300ヘクタールからブドウを集荷している。ドウロ地方(ポルトガル)に似た半乾燥性気候を持つクライン・カルーの一角で、1978年にはテイスティングルームが開設され観光客の受け入れも本格化した。クライン・カルー地区のチャンピオン協同組合ワイナリーを2度受賞したほか、SAヤング・ワイン・ショー、ヴェリタス、ミケランジェロ国際ワインアワードなど数々の賞を酒精強化ワインを中心に受賞している。1928年から生産を続けるスウィート・マスカデルとハネプートが看板商品で、ティンタ・バロッカやトウリガ・ナシオナルなどドウロ系品種を使ったケープ・ルビー、ケープ・ヴィンテージ・スタイルのポートも手がける。1990年代初頭からはシャルドネやソーヴィニヨン・ブランなど白ブドウ品種の植樹も進み、現在はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーズ、ピノタージュなどの辛口赤ワインや、デザートワイン・セミスイートワインまで幅広いラインナップを展開している。
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calitzdorpwine.co.za/De Krans Wine Cellar
デ・クランス・ワイン・セラー
1890年、ネル家がカリッツドープ近郊、ガムカ川渓谷上流に位置する原初の農場「バッフェルスヴァレイ」の一部を取得したことに始まる、南アフリカを代表するポートスタイル酒精強化ワインの名門生産者。現在のセラーは1964年にクリス・ネルとダニー・ネル兄弟によって建設され、現在は4代目にあたるブーツ(Boets)・ネルとストロベル(Stroebel)・ネル兄弟がセラーマスターを務める。De Kransがポルトガル系品種のパイオニアとなったきっかけは偶然だった。1973年、クリス・ネルはシラーズのつもりで苗木を植えたが、1976年に実を結んだ際、それがティンタ・バロッカだったことが判明した。1985年以降はトゥーリガ・ナシオナル、ティンタ・ロリス、ティンタ・アマレラ、ソウザオンへと栽培品種を拡大し、南アフリカで初めて辛口赤ワインとしてのトゥーリガ・ナシオナルをリリースしたほか、同国初のケープ・ピンク(ポートスタイル)や初のモスカート・パーレも手掛けた。フラッグシップのケープ・ヴィンテージ・リザーブはプラッターズ・ワインガイドで史上最多となる5つ星評価を獲得し、過去30年間で700以上のメダル・受賞歴を誇る。これらの功績は、カリッツドープが「南アフリカのポートの首都」と呼ばれる礎ともなった。酒精強化ワイン(ケープ・ルビー、ケープ・ヴィンテージ、ケープ・ヴィンテージ・リザーブ、ケープ・トウニー、オリジナル・ケープ・ピンク、ミュスカ・ド・フロンティニャン)に加え、トゥーリガ・ナシオナルやティンタ・ロリスなどポルトガル系品種の辛口赤ワイン、シュナン・ブランやシャルドネの白ワイン、そして栽培品種の取り違えという同農園の歴史を物語る「ア・トゥイスト・オブ・フェイト」などのブレンドも手掛けている。
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dekrans.co.za/Peter Bayly Wines
ピーター・ベイリー・ワインズ
ピーター・ベイリー・ワインズは、南アフリカ・クライン・カルー地方、カリッツドープの北方約15kmに位置するフルーンフォンテイン渓谷に隠れる、家族経営の小さなブティックワイナリー。スワートバーグ山脈を望むこの人里離れた農場を、ピーターとイヴォンヌ・ベイリー夫妻が1990年代後半に「趣味でブドウを植えた別荘」として購入したのが始まりで、2004年の最初の収穫を経て本格的なワイン造りへと専念するようになった。ピーターはワイナリー経営以前、ケープタウンでレストラン経営者・ホテル経営者として多彩なキャリアを歩んだ人物で、1970年代にはシーポイントの「ウォルターズ・グリル」やケニルワースの「ファージングス」を経営し、その後はエラーマン・ハウス・ホテルの共同創業者としてワインセラーの構築・管理を手がけた。現在、農場全体7ヘクタールのうちわずか1.2ヘクタールがブドウ栽培に使われており、主にポルトガル系品種のトウリガ・ナシオナル、ティンタ・バロッカ、ソウザンと、1968年植樹の古樹シュナン・ブランが栽培されている。ピーターいわく、この渓谷の頁岩質土壌と気候はポルトガルのドウロ渓谷に酷似しているが、カリッツドープ本体よりもかなり雨が多く涼しい、独自のマイクロクライメートだという。醸造は伝統的な手法にこだわり、足踏み破砕、バスケットプレス、天然発酵、大型の古樽での約18ヶ月の熟成を経て、無濾過・無清澄のまま手詰めされる。代表銘柄はケープ・ヴィンテージ・ポートとシュナン・ブラン由来のケープ・ホワイト・ポートで、他にドライな赤ブレンド「ピーター・ベイリーIII」や樽熟成のドライ・シュナン・ブランも造られている。農場の入口には遊び心あふれる「空飛ぶ豚」の看板が掲げられ、テイスティングやセラー見学は完全予約制で受け付けている。
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www.peterbayly.co.zaTTT Cellars
TTTセラーズ
TTTセラーズは、南アフリカ・クライン・カルー地方のカリッツドープにある小規模ワイナリー。名前の「TTT」は「Things Take Time(物事には時間がかかる)」の頭文字で、ワイン造りに欠かせない忍耐を表している。2000年にアシュリー&パット・メイソン夫妻がガレージスト(自宅設備での醸造)として創業し、2005年に本格的なセラーを建設。シュナン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズ、ロゼ、ハネポート、レッド・ミュスカデル、ポートスタイルのワインなどを手がけていた。その後一時休眠期間を経て、2020〜2021年にグラハム&シェリル・アンリー夫妻がカリッツドープに魅了されて多忙な企業生活を離れ、セラーを再始動させた。現在はスワートバーグ山脈を望むカリッツドープ産のブドウのみを使用し、不耕起栽培、セラーでの最小限の介入、化学農薬不使用という方針のもと、辛口の白・赤ワイン、ユニークなブレンド、メソッド・カプ・クラシック方式のスパークリングワイン、ケープ・ヴィンテージ・スタイルの酒精強化ワインなど、土地の個性を誠実に映すワインを造っている。
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tttcellars.co.za/Withoek Wine Farm
ヴィットフック・ワイン・ファーム
ヴィットフック・ワイン・ファームは、南アフリカ・クライン・カルー地方にあり「ポートワインの首都」を自称するカリッツドープの町外れに位置する、家族経営の小さなブティックワイナリー兼果樹農園。1997年7月24日、ブルームフォンテイン出身の実業家で道路技師のクース・ガイサー氏によって正式に開業した。ポルトガル式のポートワイン造りを生涯の夢としていた彼は、カリッツドープの元市長でカリッツドープ・ワイン・セラーズ会長を務めた同名の叔父クース・ガイサー氏の甥にあたる。「シンプルに徹する」という哲学のもと、一部は100年前の設備を使う伝統的な手法と近代技術を組み合わせ、すべてのワインをオーク樽で熟成させる。敷地50ヘクタールのうち27ヘクタールがブドウ畑で、主にハネポート(マスカット・ダレクサンドリア)とサルタナを栽培し、少量のカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズも植えられている。残りの土地では桃・アプリコット・プラムなどの果樹を栽培し、乾燥果実に加工して販売もしている。現在はガイサー家5代目にあたる農場管理者ファニー・ガイサー氏がこの地を運営しており、町外れのヘルミナスホフにあるショップでワインやドライフルーツ、新鮮な農産物を販売するほか、セルフケータリング・コテージの宿泊や、近隣のジャッカルスコップの丘へ登る短いハイキングコースも提供している。
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withoek.blogspot.com
よくある質問
- なぜカリッツドープは南アフリカの「ポートの都」と呼ばれるのですか?
- 半乾燥気候と大きな寒暖差がポルトガルのドウロ地方に酷似しており、ティンタ・バロッカ、トゥーリガ・ナシオナル、ソウザォンといったポルトガル系品種が理想的に熟し、世界レベルのケープ・ヴィンテージやケープ・トウニーを生み出すためです。
- カリッツドープでは酒精強化ワインしか作られていないのですか?
- いいえ。酒精強化ワインでその名を確立しましたが、近年は同じポルトガル系品種を使った上質な辛口赤ワインも増えています。
- カリッツドープでチェックすべき生産者は?
- Boplaas、De Krans、Axe Hillが地区を代表する老舗生産者で、国際的な評価を牽引しています。
- なぜ「ポート」という名前を使えないのですか?
- 2012年1月1日以降、EU基準に沿った表示規制により、南アフリカ産の酒精強化ワインは『ポート』ではなく『ケープ』を冠する名称(ケープ・ヴィンテージ、ケープ・トウニーなど)を使うことが義務付けられたためです。
- カリッツドープのテロワールの特徴は?
- スワートベルグ、ローイベルグ、ハムカベルグの山々に囲まれた盆地地形で、ドウロ地方に似た片岩・頁岩と赤い沖積土壌、年間200〜230mm程度の少雨、そしてインド洋から吹く午後の涼風がブドウの酸を保ちます。